接客業の話。
ある百貨店の掃除のおばちゃんはとてもいい人だった。
休憩所で一緒になると私たちの輪の中に入ってくるのだが
いつもにこにこしながらお菓子をくばるそのおばちゃんは
違和感なく販売員達に溶け込んでいた。
おばちゃん 「私な〜みんなに変わってるな〜とかちょっとおかしいって言われるねん」
販売員A 「えー変わってへんやん!おばちゃんええ人やん!」
販売員B 「ほんまや!誰がそんなん言うん?」
おばちゃん 「同じ職場の清掃員仲間に言われるねん・・・」
私 「そんなん気にしたらダメですよー」
おばちゃん 「若い子らにそんなん言われたらうれしいわ〜ありがとう〜」
そんな会話をした数日後
私はクレーム処理のため早朝出勤になり
いつもより2時間早く仕事場へ向かった。
まだ静けさの漂う百貨店の社員用入り口から
「田中さ〜ん」
誰かが私を呼んでいる。
「田中さ〜ん」
誰だ?
あ、掃除のおばちゃ・・・
おば・・・
ちゃ・・・
誰!?
汚れた猫の人形抱いて出勤?
私の目に映る掃除のおばちゃんは
明らかに
変 だった。
なぜ汚れた猫の人形を抱いているのかは聞けなかったが
毎日猫の人形を抱いて出勤していることを
うれしそうに語っていた。